NRFU  ジャパンラグビートップリーグ2010-2011
リーグ戦第5節 クボタスピアーズ対サントリーサンゴリアス

(2010年10月9日)第5節/クボタスピアーズvsサントリーサンゴリアス

試合レポート

雨中の新発田五十公野(しばたいじみの)合戦
サントリーサンゴリアスが制す


【マンオブザマッチ】
サントリーサンゴリアス  
トッド・クレバー選手


新発田五十公野合戦の図



 新発田は「しばた」と読み、五十公野と書いて「いじみの」と読む。どちらも読めない地名である。この競技場が城郭をイメージしているのは戦国時代に激しい戦の歴史があった。16世紀新発田城主、新発田因幡守重家が上杉景勝に叛乱し、「法正橋の乱」をはじめとした新発田合戦を行った。 昔「ラグビー競技は一国を争う戦と同じだ」とある学生が言っていたことを思い出す。読めない地名が2つも並んだ戦場「しばたいじみの」でラグビーTL5節「クボタ」と「サントリー」が対戦した。

サントリーはKO早々からアタッキングラグビーを展開、縦に横に広く狭く深く浅くそして内に外にと面白いようにボールを動かし幾つものフレーズを重ねていた。15分、クボタLO今野、オーバーザトップの繰り返しでシンビン、10分間の一時退場。それでもクボタ18分、サントリーのオーバーザトップでSO森脇のPGで先取。
(3−0)。28分、またしてもクボタPR手塚シンビン。
 
32分サントリーCTBニコラス、10m中央からPG成功。
(3−3)
 
35分、クボタゴール前でサントリー幾つかのフレーズからSH日和佐 SOピシ FB有賀が入りWTB小野澤へと繋がり左隅にトライ。ゴール不成功。(3−8)
 39分、今度はクボタFB吉田がサントリーWTB小野澤への頭越え軽いキックでWTB伊藤が抑えてトライ。ゴール不成功。(8−8)

 前半はミスなきサントリーのアタッキングラグビーとクボタの堅守が目立った。クボタはシンビンで14人態勢が20分間も続いていたにも拘らず、ノックオンを誘う突き刺すタックルでよく抑えていた。

 後半はクボタのKOで開始、クボタはよく後半早々に点を取られるがここはこう着状態が続く。初勝利に期待を持たせる展開であり、一方サントリーに焦りは見られない。
 60分、サントリーはクボタゴール前ラインアウトからモールで左FLトッドが抑えてトライ。G成功(8−15)。クボタは疲れてきた。

 72分 サントリー、自陣ゴール前からクボタボールラックをターンオーバー、左WTB小野澤が4人抜きクボタゴール前まで走り抜け、内側FB有賀につなぎ最後は右FL佐々木がトライ、G成功(8−22)。
 78分、サントリー、クボタのハイパントをSOピシがキャッチ、カウンターアタックで50m以上独走したCTB平がトライ。G不成功(8−27)。
 80分、クボタ陣10mラインアウトから途中出場のHBグレーガンは3回の素早い散らしでバックス展開、とどめは18ウェインがトライ。G成功(8−34)。

エディ・ジョーンズ率いるサントリーの一瞬のスペースを突いたアタッキングラグビーはラスト10分間に開花した。クボタは再三サントリー陣に攻めるもラインアウトの精度が悪かった。しかしディフェンスはシンビンにもめげずスペースを良く埋め、ひたむきに抑えていた姿は目を見張った。好感度の高いチームである。 MOMはサントリーFLトッドとなる。

 雨模様の戦場「しばたいじみの」でのTL5節「クボタ」対「サントリー」の熱い激しい戦いは終わり、この地の歴史に刻まれた。

会見

<クボタ>
佐野  順 監督

今日は新潟県協会に皆様、関係者の方々トップリーグを開催させて頂き,感謝します。
前半はディフェンスが機能した。充分に戦えた。後半は相手を攻めきれなかったことが、一言でいうと敗因だと思う。よく戦えたなという反面、力負けを感じたゲームであった。一つ一つの精度、フィットネスを含めて次の試合に向けて修正していきたい。

萩原 要主将 
試合に関わってくださった方々ありがとうございました。
試合内容は、前半はシンビンが2人出てしまったが、その中でも自分たちがやろうとしているディフェンスが機能したのでよい勝負となった。後半は最後20分、サントリーさんが勝負所というところでディフェンスが甘くなってしまって、最後立て続けに取られたのが敗因だと思う。また修正して頑張りたいと思う。


<サントリー>
エディー・ジョーンズ監督

 タフなゲームでした。クボタはディフェンスをよくやっていた。ラインからもちゃんとやっていた。後半にサントリーがもどってこれて非常によかった。ダイレクトなプレーもできたのでよかった。
 勝利が嬉しい。まだまだであるが、毎週ごとに順位がよくなってきている

竹本隼太郎主将
 クボタのプレッシャーとタックル。こちらもミスが多くて波に乗れないところがあったが、がまんして責め続けることができ、なんとか勝ててよかった。

キャッチミスが多かった原因は?
竹本主将
 きちんとクボタが競ってきているというのが一つ。ボールが濡れているというのが一つ。お互いプレッシャーの中でクリーンなキャッチが難しかったが、下に落ちたボールのリアクションが早くできた。


 
   NRFU